ドイツにおける森林戦略2020(保養・健康・ツーリズム)

ジョギング

 

2011年に策定されたドイツの森林戦略2020。今回は保養・健康・ツーリズムの保護に関する項目を見てみます。

保養・健康・ツーリズム

現況

ドイツの国民は伝統的に森と密接に結びついている。ドイツの人口密度は約230人/km2で、ヨーロッパで最も過密な国のひとつである。とりわけ大都市や大都市周辺では森林が肉体的、精神的なリフレッシュのためや、保養、レジャー、スポーツのためにと多くの目的で利用されている。およそ3分の2の人間が、少なくとも年に1回は森林を訪れている。

ドイツでの保養目的での森林の立ち入りは、原則的に許可されている。制限は、木の伐採時、狩猟時、天然更新地、保護区(国立公園やエコパークの核心地域)などの個別のケースのみである。

森林利用者のほとんどの人は、責任感を持ち森林内へ入り、動植物の保護の必要性、林業や狩猟の必要性について尊重をしている。

 

将来的な課題

森林のレジャー活動と自然体験は、自然に対するまた同時に持続可能な林業利用の必要性に対する意識を向上させるのに適している。しかし、レジャーや保養による森林に対する高い負荷と、その際の不適切な行動は、森林のエコシステム、野生動物、林業、森林所有者の妨げになることがある。

多すぎる利用者による、不適切で無秩序なレジャー活動の実施が、森林に対する負荷の増加につながる。問題点は、これらが土壌の損傷、植生や動物及び森林の経済的利用の妨害につながるということである。とくに問題なのは、野生動物の安息妨害によって引き起こされる、採食や穿皮といった植生への被害である。過度なレジャー利用の高まるリスクにより、森林内の安全義務に対する出費も必要になってきている。

マウンテンバイク

 

解決の糸口

・森林利用者の流れのコントロールの実証された手段は、自然保護、景観保護、森林利用者、森林所有者、林業関係者などの利害関係をより良くまとめるために、特によく人が通る場所や、生態学的に繊細な場所で用いられ、発展させられなければならない。自由な立入権の枠内で、自然に負荷をかけない保養の確保は、特別な保養利用(ウォークラリー、ジョギング回路など)より優先度が高い。個人またはグループの保養活動は、引き続き無料でなければならない。

・特別な保養プログラム、特に専門的組織よって案内される催しは、原則的に利用者から金銭的報酬を受けなければならない。国と州は、森林所有者、林業界、地方自治団体、当事者の団体の代表者と共同で、自然に負荷をかけない、推奨される森林のレジャー利用を作り上げる。

・新しい観光、環境教育、レジャーの提供は、森林所有者の一致の下で促進されなければならない。

・体験している自然と、持続可能な林業の作用と能力との関係に関しての、森林利用者に対する情報や意識教育は、適した情報提供によって発展させなければならない。これに関しては、関連するふさわしい団体が、密接に共同して行うことが考えられる。

 

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