ドイツなどのヨーロッパではジビエは古くから食べられてきました。当地ではジビエはレストランで食べられるのはもちろん、スーパーや肉屋、営林署やハンターを通してなど様々な場所で購入することができます。
ドイツでのジビエ消費量
ドイツ狩猟連合会は、2017年度にドイツで消費されたジビエの量を発表しました。それによるとジビエ消費量は全国で36,000tにのぼり、その数値は前年度に比べ34%も増加しました。内訳としてはイノシシが19,700t、ノロジカが12,400t、アカシカとダマジカで3,900tとなっています。その他にもウサギや鳥類などの野生鳥獣も食べられていますが、このデータには含まれていません。また、ドイツではジビエの輸入も行っていて、例えば2017年には2,700tのイノシシ肉が輸入されました。この数字が先ほどのイノシシの国内利用量19,700tに含まれているか不明ですが、おそらく含まれているものと思われます。
ジビエの消費量が前年度と比較して3割も伸びた原因はイノシシの捕獲数の増加が挙げられます。2017年度のイノシシの捕獲数は836,900頭と、記録的な数字となりました。
日本との比較
日本のジビエ利用量については、農林水産省がその数値を発表しています。農林水産省が行った野生鳥獣資源利用実態調査によると、野生鳥獣の食肉処理を行っている食肉処理施設による2017年度のジビエ利用量は約1,600tで、これはシカ、イノシシ、その他の鳥獣の食肉利用、そしてペットフードなどへの利用も含んでの数字となります。食肉処理施設に対する調査なので、ハンターの自家消費分は入っていません。
ドイツとの比較のためにイノシシの利用量を調べてみましょう。この調査によるとイノシシの利用量は324tです。そして2017年度のイノシシの捕獲頭数は536,700頭(速報値)となっています。これらの数値を日本とドイツで比較してみます。(ドイツのイノシシ肉の利用量にペットフードなどが含まれているかなど、詳細が不明な部分が多いので正確な比較ではありません。)
グラフで見ると、日本とドイツのジビエのイノシシの捕獲頭数に対するジビエの利用量の違いは明らかです。ドイツ狩猟連合会の調査では、6割のドイツ人が年に1回以上ジビエを食べるという結果も出ています。やはり長く培ってきたジビエ文化は、現在でも市民の間で広く浸透しているようです。
実際ドイツでは季節になると多くのレストランでジビエ料理を食べられますし、市場でイノシシのソーセージが売っていたり、大学の学食でシカの煮込みが出てきたりします。ドイツ旅行の際は、ビールとともに本場のジビエ料理を堪能してみるのもいいですね。
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