ほぼ全ての森で林業が営まれているドイツの森でも、たくさんの野生動物たちが生息しています。中には日本から移入された意外な動物の姿も。今回は大型草食動物を中心にドイツの森で暮している野生動物を紹介していきます。
アカシカ(Cervus elaphus)
シカ科シカ属
- 体長1.65 m – 2.45 m
- 肩高 1.20 m – 1.40 m
- 体重 70kg – 280 kg
その威風堂々とした巨体と気品溢れる姿により、森の王様と呼ばれています。元々は開けた平野や明るい森に生息していましたが、現在は人間の活動により森の奥に暮しています。その大きな角を目当てに昔から狩猟の対象とされ、現在でもその肉は高級ジビエとして食されています。
ダマジカ(Dama dama)
シカ科ダマジカ属
- 体長1.20 m – 1.40 m
- 肩高 0.80 m – 1.00m
- 体重 30kg – 90g
手の平のような広がった角と、白い水玉模様が特徴的なシカです。アカシカとノロジカの中間くらいの大きさがあります。16世紀にデンマークからドイツへ移入されました。“ダムジカ”の名前は“デンマーク”からきているという話があります。その大きな角は毎年生え換わります。
ノロジカ(Capreolus capreolus)
シカ科ノロジカ属
- 体長1.00 m – 1.30 m
- 肩高 0.60 m – 0.75m
- 体重 15kg – 28g
小型のシカで、最も個体数が多いシカです。オスには小さな角があり、1年で生え換わります。オーストリアで書かれた原作「バンビ」の動物のモデルはノロジカでしたが、ディズニーのアニメ版では、アメリカに馴染みのあるオジロジカにモデルが変わりました。
シャモア(Rupicapra rupicapra)
ウシ科シャモア属
- 体長1.00 m – 1.30 m
- 肩高 0.70m – 0.80m
- 体重 27kg –40kg
ウシ科の動物です。オスメス共に生える、先の曲がった短い角は、生え換わることはありません。山岳地帯に生息し、ゴムのような柔らかい足の裏で、岩場でも滑ることなく上って行きます。夏は森林限界を越えるような山上で生活し、冬は山を下りて過ごします。
ムフロン(Ovis gmelini musimon)
ウシ科ヒツジ属
- 体長1.10m – 1.30 m
- 肩高 0.70m – 0.80m
- 体重 25kg –50kg
家畜のヒツジの原種とも考えられている動物です。ドイツへはコルシカ島、サルデーニャ島から20世紀に移入されました。かたつむりのような大きな角は、生え変わることはありません。オス同士のケンカの際は、80cmにもなるこの大きな角を突き合わせて戦います。
ニホンジカ(Cervus Nippon)
シカ科シカ属
- 体長1.20m
- 肩高 0.80m – 0.90m
- 体重 30kg –60kg
日本に生息しているニホンジカがドイツでも繁殖しています。ドイツへは1893年に移入され、始めは管理されて飼われていましたが、20世紀に入ると逃げ出した個体が森で生息し始めました。現在の生息域はそこまで広くはありませんが、在来種であるアカシカとの交雑が懸念されています。
以上、今回は大型の草食動物を紹介しました。
次回も引き続きドイツの森に住む動物たちを紹介します。
シャモアやムフロンはドイツ語にしてほしいですGemse とか