森林管理の持続可能性を証明する森林認証制度

木材

 

その森が持続可能な森林管理をしているかどうか、その木が持続可能な森林管理をされた森からきたかどうかを証明する手段に、森林認証制度があります。持続可能性という概念的なものを可視化し、一般市民も分かりやすく認知することのできる森林管理の方法とも言えます。

森林認証制度とは

森林認証マーク

FSCとPEFCのロゴマーク

1970年代~80年代の熱帯雨林の伐採などに対する危機感から、世界的に森林の適切な管理に対する機運が高まりました。1992年のリオで行われた地球サミットにおいて持続可能な林業の原則が示され、1993年に環境保護団体の主導でFSC (Forest Stewardship Council)が創設されました。また、1999年には林業界を中心にPEFC (発足当時はPan-European Forest Certification。現在は Programme for the Endorsement of Forest Certification Schemes。)が設立されました。これらの制度は、現在でも世界的に主要な森林認証制度となっています。

森林認証制度はそれぞれ独自の基準で、持続可能な森林管理が行われているかを審査・認証しています。その森から伐採された木材は、同様に認証を受けた流通機関を経由し、オリジナルのラベルを付けた木材製品として販売することができます。消費者はそのラベルによって木材製品の持続可能性を確認したうえ、購入することができるのです。

ドイツでの認証状況

ドイツにおける森林認証制度は、世界的なPEFCとFSCの2大認証制度が大部分を占めています。2つの認証制度を比べてみると、PEFCは認定の基準が低く、かかる費用も少ないため、認証のハードルが低くなっています。一方、FSCは認定の基準が高く、コストもかかるため、特に環境意識の高い経営体が多く取得しています。

  PEFC FSC
基準
コスト

 

・PEFC

PEFC認証面積の割合

ドイツでPEFCに認証された森林面積は7,574,504 haで、全国の森林面積のおよそ66%にのぼります。認証面積の割合は、43%連邦有林・州有林、16%が公有林、10%が私有林、29%が協同組織となっています。認証コストが低いため、多くの私有林所有者に支持されています。

 

・FSC

FSC認証面積の割合

FSCに認証された面積は1,195,194haで、全国の森林面積の約10%にあたります。面積の割合的には国有林がほとんどを占めていて、私有林の面積規模はわずかです。

FSC経営体の割合

FSCはそれぞれの経営体の数が公表されているので、そのデータから経営体の割合を見ていきます。森林面積の割合と比較すると、公有林の割合が目立っています。公共性の高い公有林は、持続可能な林業の見本として、市民の要求に応えています。

 

一部重複はありますが、FSCとPEFCの認証面積を合計するとドイツの全森林面積の約77%になります。認証基準の強弱がありますが、森林認証を受けることによって、一般市民にも分かりやすいように持続可能性を担保しているのです。

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